孤独

孤独

世界にはそれぞれの分野で
それぞれのコレクターが存在していて

その世界観に触れるにつけ
それはそれは興味深く、

新しい知識を教授していただけたりで
本当に楽しい。

他人様のコレクションなんて
よほどのことがない限り
その全容を拝見できる機会なんてないのだが、

お亡くなりになったりのタイミングで

いろんな事情から遺族が
故人のコレクションを売却するケースもある。

特に有名人の場合は
有名オークションハウスにより
一括売却されることが多い。

店主が特に記憶に残っているオークションは
写真の3人。

1988年のアンディー・ウォーホル(87年死去)
1989年のロバート・メイプルソープ(同年死去)
2016年のデヴィッド・ボウイ(同年死去)

基金や財団を創設する資金づくりなどが
その主たる目的だ。

しかし、この三人のコレクション、
その人の裸の私生活に迫れるようで
本当に楽しい。

ある意味表立っている彼らの作品よりも。

ウォーホルだけが亡くなって翌年に6冊にも及ぶ
オークションブックでセールをおこなっている。

なぜなら収集のカテゴリーと
物量が多すぎるから。笑

メイプルソープやボウイのコレクションは
本人らしかったり不思議なものもあるが

全体的に洗練されていて
大きなコレクションの流れは理解できる。

しかしどうだ、怪物ウォーホル。
節操なく収集している。

文字通りなんでもかんでも、だ。

マイケル・ジャクソンかよ。笑

しかも彼の得意とするポップな作品とは
全く逆のモノがほとんどだ。

「あなたがもしアンディー・ウォーホルの
すべてを知りたいのであれば、

私の絵と映画と私の表面だけを見てくれれば、
そこに私はいます。裏側には何もありません。」
(If you want to know all about Andy Warhol,
just look at the surface of my paintings
and films and me, and there I am.
There’s nothing behind it.)

は有名な言葉だし、
稀代の人間コレクターでもあったが
いやはや
彼こそ最後まで
絶対に自分の内面を見せることはなかった
孤独なコレクターだったのだと感じた。