咖哩のおもひで
おなじみオリエンタルカレー

咖哩のおもひで

夏はカレー。秋もカレー。冬こそカレー。春ってカレー。
今日も元気だカレーが旨い。次に生まれ変わったらインド人にちがいない。
そういえば専門店のカレーを自分のお金ではじめて食べたのは原宿にあった『GHEE』だっけ。
小さなその店は白壁にエメラルドグリーンのフレームのガラスドアが印象的で、店内は大きなピンク大理石のテーブルにちいさなアンティークチェアが並んでいて、店も店主もカレーもスタッフもみなすべてが美しく、美味しかった。
当時学生だった店主が最もお慕いしていたイラストレーターの(安西)水丸さんもスタジャンにUplaのショルダーバッグの定番姿で自転車に乗ってこの店に通っておられた。
極めてお洒落な青山派のおぢさまはココと中村屋のカレーを定番としていた。
それでカレーやアンティークやらの雑多な話をいつも真剣にしていたらある日店主のことを描いて『ほん気くん』と名付けた。
雑誌でコラム化しよう、と定番のニコニコ顔ではなしておられたがその企画は企画のまま消えた。
いまでもカレーをたべると時々、安西水丸さんの少年のような笑顔が蘇る。

日印協力インデラ・カレーにメタルカレーとカレー祭り

ボツ企画になった『ほん気くん』1988年