未来派
1995年頃の店主部屋の写真

未来派

90年代初頭、
バブル期の秋葉原ヤマギワには

スーパーなお金持ちのためにしつらえられた
それはそれは贅沢な家財品たちが
輝きを放っていた。

そんな中、ひときわ静かなコーナーで
スリークなデザイン、

かつ素晴らしいサウンドを奏でている
オーディオ機器のようなものがあった。

ようなものと感じたのはその佇まいが
全くオーディオに見えなかったからだ。

ツマミもない、鏡面つるつるのパネルは
手をかざすだけで音もなく反応した。

魔法にかかったような操作盤はまるで
映画”2001年宇宙の旅”のセットのようだった。

それがBang&Olufsenというメーカー、
Jacob Jensenというデザイナーとの出会い。

当時フルセットだとウン百万円、
家電大国の日本でリモコン別売りという、

とまどいが尽きないその謎すぎるオーディオに
その後魅了されることになった。