90年代初頭、
バブル期の秋葉原ヤマギワには
スーパーなお金持ちのためにしつらえられた
それはそれは贅沢な家財品たちが
輝きを放っていた。
そんな中、ひときわ静かなコーナーで
スリークなデザイン、
かつ素晴らしいサウンドを奏でている
オーディオ機器のようなものがあった。
ようなものと感じたのはその佇まいが
全くオーディオに見えなかったからだ。
ツマミもない、鏡面つるつるのパネルは
手をかざすだけで音もなく反応した。
魔法にかかったような操作盤はまるで
映画”2001年宇宙の旅”のセットのようだった。
それがBang&Olufsenというメーカー、
Jacob Jensenというデザイナーとの出会い。
当時フルセットだとウン百万円、
家電大国の日本でリモコン別売りという、
とまどいが尽きないその謎すぎるオーディオに
その後魅了されることになった。